13回忌の法要に「お坊さんを呼ばない」という選択をする家庭がにわかに増えています。
従来の伝統にのっとらずに、お坊さんを呼ばずに家族だけで行ったり、お墓参りだけで済ませたり、そもそもやらなかったり、と時代の流れを感じます。
今回は、13回忌にお坊さんを呼ばないのはありなのか・なしなのかを中心に、様々な13回忌の有り様やマナーについて紐解いていきます。
目次
13回忌の意義とは?
13回忌にお坊さんを呼ばないのはどうなのか、というテーマに触れる前に、そもそも13回忌とはなんなのかについて解説していきます。
13回忌とは、故人の死後13年目に行われる追善の法要で、故人の追悼と供養を目的とした行事です。
仏教では、死後の故人の霊が成仏するまでの過程でさまざまな変化を経るとされています。
特に、死後49日ごとに重要な節目があるとされ、13回忌は、このような節目の一つとして行われ、故人の霊が穏やかな状態に達することを祈ります。
13回忌の一般的な流れ
13回忌では、通常、家族や親族が集まり、僧侶を招いて読経や供養の儀式を行います。
以下は13回忌の一般的な流れです。
- 準備
事前にお寺と日程を調整し、参列者に通知します。
場所は自宅、お寺、または霊園など、故人との関係や家族の意向によって決まります。 - 法要
僧侶による読経が中心です。
家族や参列者は、故人に向けてお経を聞き、手を合わせて祈ります。 - 供養
故人の好きだった食べ物や花などを供え、故人の霊を慰めます。 - 食事会(精進落とし)
法要後には、参列者全員で食事を共にすることが一般的です。
この食事は「精進落とし」と呼ばれ、一般には肉や魚を避けたベジタリアンスタイルの食事が提供されます。
なお、13回忌にはお坊さんにお布施(20,000〜50,000円が相場)や御膳料(5,000〜10,000円が相場)を渡すのが一般的な慣習となっています。
13回忌の意義深さ
13回忌を行うことは、故人との絆を再確認し、家族や親族が互いの結びつきを強化する機会となります。
また、故人を偲ぶことで、遺族が故人の死を受け入れ、心の平穏を得る手助けとなるでしょう。
故人の思い出を共有し、故人が残した遺志を、次の世代へと引き継ぐ意味も含まれています。
と、このように13回忌は、伝統的には、お坊さんを招いて読経をしてもらうのが一般的ですが、近年では形式にとらわれない方法も選ばれるようになっています。
13回忌にお坊さんを呼ばないのはどうなの?
13回忌にお坊さんを呼ばないのは、ありなのか・なしなのか、ですが、結論から言いますと、どちらでも問題ありません。
13回忌は、故人の追悼と供養を目的としているわけですから、そこにお坊さんがいてもいなくても、家族や近しい間柄にあった人たちが、しっかりとその目的を果たせることができるならば、必ずしも呼ぶ必要はないんですね。
現に、以下のような理由で、13回忌にお坊さんを呼ばない選択肢をとる人たちが増えています。
- 費用の問題
お坊さんにお経をあげてもらうには、それなりのお布施が必要です。
経済的な理由から、お坊さんを呼ばない選択をする家庭もあります。 - 家族の意向
現代では、故人との関係性や家族の価値観によって、形式にとらわれない自由な形で法要を行いたいと考える人も多いです。 - 地域性や伝統の違い
地域によっては、そもそも13回忌を盛大に行わない文化もあります。
また、故人が特定の宗教や宗派に所属していなかった場合も、形式が異なることがあります。
お坊さんを呼ばない13回忌の行い方
ただ、13回忌にお坊さんを呼ばないとしても、どのように行えばいいのかわからないですよね。
でも、大事なのは、13回忌を行う目的(故人の追悼と供養)です。
例えばですが、家族や知人が集まり、故人の思い出を語り合いながら、墓前に手を合わせるシンプルな方法もありですし、故人が生前好きだった食事をとったりして、故人を偲ぶ時間を持つ、といったことを行っても良いと思います。
13回忌の法要は、故人を偲ぶ大切な行事ですが、その形は多様化しています。
大切なのは、故人の意志や家族の感情を尊重し、心から故人を偲ぶこと。
お坊さんを呼ばない選択が、それぞれの家庭にとって最適な方法であれば、それもまたひとつの形と言えるでしょう。
お坊さんを呼ばずに13回忌を行う際のポイント
お坊さんを呼ばずに13回忌を行う際のポイントは以下の通りです。
ぜひ参考にしてみてください。
- 日程の調整
まずは家族全員が集まれる日を選ぶことが重要です。
全員が参加できるように、日程は早めに決め、必要なら調整しましょう。 - 場所の選定
故人が好んだ場所や、自宅、または家族が集まりやすい場所を選びます。
お墓のある場所や自然豊かな場所で静かに行うのも一つの方法です。 - 内容の決定
読経や祈りを自分たちで行うか、または故人を偲ぶ会話を中心にするかなど、内容も家族で話し合って決めます。
故人の好きだった音楽を聴いたり、思い出の写真を見ながら過ごすのも良いでしょう。
13回忌をお墓まいりのみで済ませるのは?
13回忌にお坊さんを呼ばないのは、アリだよという話をしてきました。
13回忌の目的である故人の追悼と供養がきちんと行えれば、「13回忌はお墓参りのみを行う」でも全く問題ありません。
お墓参りだけなら、お布施や食事の手配が不要になるため、費用を大幅に抑えることができますしね。
お墓周辺の草取りや、墓跡を綺麗に掃除し、生花や季節の花を供えるのはもちろんの事、故人の好物やお線香を持参することで、故人へ想いを馳せれば、立派な13回忌です。
13回忌の服装は?
13回忌にお坊さんを呼ばなくても全く問題ありませんが、参列する際の服装についてのエチケットがありますので、最後にチェックしていきましょう。
13回忌の服装の基本
- 色合いは控えめに
13回忌の服装は、基本的には黒やダークグレーなどの控えめな色を選ぶのが一般的です。
派手な色や柄は避け、故人を偲ぶ厳粛な気持ちを表現します。 - フォーマルな装いを心がける
男性はダークスーツに白いシャツ、プレーンなネクタイを選びましょう。
女性は黒や紺のワンピースまたはスーツが適切です。過度な装飾は避け、シンプルで整った印象にします。 - アクセサリーは最小限に
派手なアクセサリーは避け、必要最小限のものだけを身につけるようにしましょう。
女性の場合は、小さなイヤリングやシンプルなネックレス程度が適当です。
その他の注意点
- 靴と靴下
靴はきれいに磨かれたものを選び、色は黒が基本です。
靴下も黒やダークカラーを選ぶのが無難です。 - バッグ
小さめのハンドバッグやクラッチバッグを選び、色も服装に合わせたダークカラーが望ましいです。
大きなカバンは避け、フォーマルな場にふさわしいものを持参します。 - 香水の使用は控えめに
香水は、控えめにするか、または使用を避けるのが礼儀とされています。
強い香りは他の参列者に不快感を与える可能性があります。
基本的なマナーが大切ですね。
13回忌が行われる季節によっては、軽く羽織れるものを用意してみてください。
冬場は、コートやストールを利用して調整し、夏場は通気性の良い素材を選ぶことも考慮に入れましょう。
まとめ
13回忌にお坊さんを呼ばないのはありなのか・なしなのかを中心に、様々なテーマについてみてきました。
形式に過度に囚われる事なく、故人を思う気持ちを大切に13回忌を行うことが重要です。