仏事や法事の際に「自宅でお経をあげて欲しい」と依頼することができるお坊さん。
自宅に仏壇や仏具のある方は、一度は依頼した経験があるのではないでしょうか。
今回は、お坊さんを家に招く際に必要となる、お茶とお菓子の位置について紹介します。
あくまでも、おもてなし的な側面が強いため、必ずしもこうしなければならないというわけではありませんが、近々お坊さんを家に招く方や気になる方は是非最後までご覧ください。
お坊さんが来る時に出すお茶とお菓子について
お坊さんに出すお茶とお菓子の位置についてお話しする前に、お茶とお菓子についてご説明しますね。
まずお茶についてです。
お茶を出す際には、季節に関係なく温かいお茶を出しましょう。
夏場に来てもらった場合など、冷たいお茶を出した方がいいのか迷われる方も多いですが、お手洗いが近くなったり、お腹を冷やしてしまうケースが考えられます。
なので、お坊さんに出すお茶は温かいものを出すようにしてください。
次に茶菓子について。
茶菓子はなるべくこぼれにくく、形がしっかりしているものが好ましいです。
茶菓子をそのまま渡す場合には、懐紙と呼ばれる小さい半紙のような包み紙を付けてお坊さんに渡します。
個包装の茶菓子があれば、懐紙を用意しなくてもそのまま渡してもOKですけどね。
お坊さんによって、味の好みやお腹の空き具合も違うので、もしその場で食べることができなくても、個包装なら持って帰ることが可能なのでより良いと言えます。
お坊さんに出す湯のみに決まりはある?
お坊さんに出すお茶ですが、これを入れる湯のみにも一般論的な決まりがあります。
湯のみには種類があり、主に下記の二種類がよく使われています。
- 縦長のタイプ(長湯のみ)
- 口が広くなっているタイプ(汲出)
お坊さんに出す湯のみは、一般的に汲出を使います。蓋付きのものであればなお良いです。
茶托もあれば、より丁寧な印象を与えられます。
茶托を使う場合は湯のみと分けて運び、お茶を置くタイミングで茶托を被せましょう。
湯のみと茶托を合わせて運んでしまうと、茶托がお茶で濡れて湯のみとくっついてしまう可能性があるので注意が必要です。
なお、現在では湯のみ以外にもペットボトルでお茶をお渡しする方法も良いとされています。
お盆などのお坊さんが忙しいシーズンになると、1日に回る件数が5件や10件に上ることもあります。
その際に行き先1件1件でお茶を出されては
- お手洗いが近くなる。
- お腹を冷やしてしまう。
などの問題が発生してしまう場合があります。
その点ペットボトルは、持ち運びが可能で、お坊さんの好きなタイミング、量でお茶を飲む事ができます。
現代ではまだ不自然だと思いますが、臨機応変な姿勢がお坊さんのことを考えたより良いおもてなしと言えるでしょう。
お茶やお菓子の出し方のマナー
お坊さんに出すお茶とお菓子の位置ですが、お茶は正面から渡すのではなく右側に回って渡しましょう。
茶菓子に関しては、左側に置く事がマナーとされています。
茶菓子を出す際には、懐紙と呼ばれる薄い半紙のような紙を使用しましょう。
茶道などで使われる包装紙です。
心地よいおもてなしをして、お坊さんが気持ちよくお経を唱えられる環境を作ると良いですね。
まとめ
お坊さんに出すお茶とお菓子の位置や湯のみについてみてきました。
お茶は右側、お菓子は左側と覚えておけば間違えません。
湯のみは、一般的に汲出を使います。蓋付きのものを使うという事です。
お茶出しのマナーや気遣いを中心に紹介しましたが、当の本人(お坊さん)は、きっとそこまで気にしていないでしょう。
お茶をお坊さんにお出しする行為そのものがおもてなしなので、お坊さんや住職の方もお茶を出していただけるだけでありがたいと思う方が多いようです。
我々に置き換えれば、おもてなしを受ければ「ありがたいな」と大抵の人は思いますので、それと一緒です。
マナーがしっかりとしていない家がダメ、といったことはないですし、おもてなしを受けるお坊さんは感謝をしてくれているはず。
お坊さんを家に呼ぶ際には、あまり気を使いすぎず、固くなりすぎず、フラットな体制で出迎えるのが良いのではないかと思います。