日常の疑問

お坊さんが行う托鉢!本物と偽物の見分け方は?

駅の中や、駅周辺など頭に傘を被ったお坊さんを見かけたことがある方は、きっと少なくないと思います。

雨の日も風の日も、夏の暑い日も冬の寒い日も、毎日のように立っているお坊さんを見て、なにか心を動かされて、お布施をした経験がある人もいるでしょう。

ですが、悲しいかな、托鉢僧の中にはニセモノのお坊さんもいたりします。

お布施をしたのに、そのお坊さんが実はなんの修行もしていなかったとしたら、ちょっと残念な気持ちになりますよね。

そこで今回は、托鉢を行なっているお坊さんが、本物のお坊さんなのか、それともニセモノなのかを見分ける方法をお伝えしていきます。

ただ、最初に結論から申し上げると、見分け方は相当難しいです。

その理由を含め、説明していきますので早速チェックしていきましょう。

そもそも托鉢とはなにか?

お坊さんの托鉢が本物か偽物かを見分ける前に、そもそも托鉢とはなんなのか?という点をおさらいしておきましょう。

お坊さんの托鉢は、仏教の実践のひとつであり、特に経済活動を行わない上座部仏教(テーラワーダ仏教)の伝統において、重要な役割を果たします。

托鉢は、お坊さんが朝早くから地域を歩き、家々から食物や日用品を請う行為です。

この実践は、お坊さんと在家信徒(一般の信者)との間の相互依存の関係を示し、精神的な繋がりを深める重要な手段となっています。

托鉢の意義と目的

  1. 慈悲と謙虚さの実践托鉢をする事でお坊さんは、自らのエゴやプライドを捨て、謙虚さを学びます。
    同時に、食物や物資を提供する側にとっては、慈悲の心を育む機会となります。
  2. 相互依存の関係の強化お坊さんは信徒からの供養に依存して生活し、信徒はお坊さんから精神的な指導や教えを受けます。
    このやりとりは、コミュニティ内での結びつきを強化し、相互の尊敬と感謝の気持ちを育みます。
  3. 仏教教義の実践托鉢は、無常観や無我の教えを体現する行為です。
    お坊さんは托鉢を通じて、物質的な欲望から離れ、現在の瞬間に集中することを学びます。

托鉢の現代的な意味

托鉢は、現代社会においても、仏教の教えを伝える貴重な伝統です。

都市部では、托鉢の実践が難しい場合もありますが、この伝統は多くのお寺や宗派によって大切にされています。

托鉢を通じて、現代人は忙しい日常から一歩離れ、精神的な豊かさやコミュニティとの繋がりを見つめ直す機会を持つことができるわけです。

托鉢は、単なる物資のやり取りを超え、心を通わせる貴重な瞬間を提供してくれるものだと、認識しておきましょう。

托鉢僧が本物かどうか見分ける方法!

お坊さんが托鉢をしているとき、本物なのか、そうでないのか見分ける方法は下記の通りです。

  1. 外見
  2. 托鉢をする時間
  3. 托鉢免許証の有無

が、最初に申し上げた通り、これだけで見分けるのは困難を極めます。

外見

お坊さんが托鉢をしているとき、本物なのか、そうでないのか見分ける方法その一は、外見です。

本物の托鉢僧は素足に草履であることが多いです。

冬場の寒い時期には、特にこの外見から簡単に見分けられる場合がありますので、注視してみましょう。

托鉢をする時間

お坊さんが托鉢をしているとき、本物なのか、そうでないのか見分ける方法その二は、托鉢をする時間帯です。

托鉢は、基本的には午前中のみ行うケースが多く、午後に立つ托鉢は偽物の可能性があります。

ただ、最近は午後に托鉢を行うお坊さんもいるため、一概に「午後に托鉢をしているからあのお坊さんはニセモノだ」とは言い切れないんですね。

時間帯で、托鉢僧を見極めるのは難しいと言えます。

托鉢免許証の有無

お坊さんが托鉢をしているとき、本物なのか、そうでないのか見分ける方法その三は、托鉢免許証を所持しているかです。

托鉢免許証とは、木の札で作られたもので、昔の托鉢僧は持っているのが通常でしたが、現在では廃止されています。

なので、免許証を持っていないからニセモノだとも言えないわけです。。

本物の托鉢僧を見分けるのは難しい

托鉢をしているお坊さんが、本物なのか、ニセモノなのかを判断するのは容易ではありません。

時間帯で見極めるのは難しいですし、托鉢免許証を持っているかどうか、まさか聞くわけにもいかないでしょうし、すでに免許証は廃止されてますから所持義務もないわけですからね。

外見で判断するのが最も効率が良いのでしょうけど、履物をしているからといって、即座に本物ではない!と決めつけてしまうのも如何なものかと考えてしまいます。

ではどうすればいいのか。

確かに、お坊さんの真似事をして、道行く人に無償でお金をもらうなんて事は許せませんよね。

ですが、大切なのは善意の心です。

目の前にいる托鉢僧が本物だろうが、ニセモノだろうが、施しの気持ちを持つことが大切なのではないかと思います。

まとめ

托鉢を行なっているお坊さんが、本物のお坊さんなのか、それともニセモノなのかを見分ける方法をみてきました。

繰り返しになりますが、その見分け方は簡単ではありません。

通販で托鉢グッズが買えてしまうご時世ですから、私達が疑ってかからないとニセモノのお坊さんは居なくならないでしょう。

もし、完璧な佇まいのニセモノのお坊さんにお布施をした場合、私達はその施しに対して、邪推すべきではありません。

お布施をした行為そのものが素晴らしく、それができるあなたは立派な人だと思います。